夜の5分で心を整える。乳がん術後の不安と副作用を和らげる「腹式呼吸」とストレッチの習慣
この記事は、私自身の乳がん治療・術後の経験に基づいて書いています。
「夜、寝ようとすると再発への不安が込み上げてくる」 「タモキシフェンの副作用でイライラしやすく、夜もなかなか寝付けない」 「術後の腕や胸のつっぱりが気になって、体がリラックスできない」
そんな夜を過ごしていませんか?
実は、私自身もタモキシフェンを服用しており、以前はイライラや予期せぬ不安で眠れない夜を何度も過ごしてきました。
この記事では、乳がん術後の体調管理や、ホルモン療法の副作用によるメンタルの乱れに悩む方へ向けて、元フィットネストレーナーである私が、自身の経験から辿り着いた「眠りの質を高める夜の習慣」をご紹介します。
特に、場所を選ばずどこでもできる「腹式呼吸」は、私自身も術後退院してすぐの時期から、心の支えとして実践してきたものです。今日からすぐに始められる、心を緩める技術を一緒に見ていきましょう。
1. なぜ「夜の5分」が、副作用の波を穏やかにするのか?
タモキシフェン服用中や術後の回復期は、自分が思っている以上に自律神経が乱れやすくなっています。
交感神経のスイッチをオフにする大切さ
夜にしっかりと副交感神経(リラックスの神経)を優位に切り替えることは、免疫力を高め、心の回復を促すために欠かせないプロセスです。
呼吸を整えることは、脳を整えること
深い呼吸を届けることで、脳へ「今は安全だよ」という信号を送り、副作用によるイライラや落ち込みを穏やかな状態へと導きます。
2. どこでもできる「魔法のお守り」:腹式呼吸のやり方
腹式呼吸は、寝る前はもちろん、実は仕事中や家事の合間に「椅子に座ったまま」でも行える最強のセルフケアです。
私は術後の退院直後、まだ体が思うように動かせない時期からこの腹式呼吸を始めました。 激しい運動はできなくても、「呼吸」なら今すぐ自分のためにできる唯一のケアだったからです。
【実践】3秒で吸って、6秒で吐く
- 姿勢を整える 布団に仰向けになるか、椅子に深く腰掛けます。軽くお腹に手を当てると動きが分かりやすくなります。
- 鼻から吸う(3秒) お腹をふくらませるイメージで、3秒かけてゆっくり吸います。
- 口から吐く(6秒) ふくらんだお腹をへこませながら、6秒かけて「ふーーーっ」と細く長く吐き出します。

コラム:なぜ「呼吸」が体と心を整えるのか?
元フィットネストレーナーの視点から、このメソッドを推奨するのには理由があります。
- 自律神経を整え、不安を和らげる: 深い腹式呼吸で横隔膜を動かすことは、自律神経をリラックスモードに切り替える有効な手段です。
- 出典:国立がん研究センター がん情報サービス「不安を和らげる方法」
- お腹のコルセット「腹横筋(ふくおうきん)」への刺激: 息を吐ききる動作は、お腹を包み込むインナーマッスル「腹横筋」を働かせます。これは天然のコルセットのような役割をする筋肉です。術後、激しい運動が制限されている時期でも、呼吸を通じて内側から体幹を支える力を養うことができます。
- 出典:一般社団法人 日本理学療法学会連合
(※腹横筋と腹圧、および呼吸による体幹への影響に関する知見を参考にしています)
3. 布団の上で完結。術後の体を優しくほぐす夜のストレッチ
ここからご紹介する運動は、私の場合、主治医から「軽い運動の許可」が下りた術後1か月頃から取り入れたものです。
※注意※ 術後の回復状態は一人ひとり異なります。新しく運動を開始する際は、必ず事前に主治医に相談し、許可を得てから行うようにしてください。
① 手足の巡りをリセットする「ゴキブリ体操」
仰向けに寝た状態で両腕・両足を天井の方へ持ち上げ、ぶらぶらと細かく揺らします。
- 狙い: 末端に溜まった血液やリンパ液を心臓の方へ戻します。
- コツ: 30秒〜1分ほど揺らした後、一気に手足を下ろすと、血が巡る感覚が得られます。

② 腕の重みを逃がす「胸の開放ストレッチ」
- やり方: 仰向けのまま、両腕をゆっくりと横に広げます(手のひらは天井向き)。
- ポイント: 腕の重みで胸の筋肉が自然に伸びるのを感じるだけで十分です。

③ 寝たまま「自分の膝」でふくらはぎマッサージ
- やり方:
- 仰向けで片膝を立てます。
- 反対側のふくらはぎを、立てている方の膝の上にのせます。
- 下の足を左右に軽く揺らし、膝の上のふくらはぎに心地よい振動を与えてマッサージします。
- 効果: リラックス効果はもちろん、「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎの筋肉を緩めることで、全身の血流を巡りやすくする効果があります。

④ 足首のポンプ運動
- やり方: 足首を手前に曲げたり、遠くへ伸ばしたりを繰り返します。
- 効果: 血液の循環をサポートし、翌朝の足の軽さにつなげます。

4. まとめ|「今日もよく頑張ったね」と自分に声をかけて
乳がんの治療中、私たちは毎日目に見えない不安や副作用と戦っています。
副作用で心が限界になった時、椅子に座ったままでいいので、そっとお腹に手を当てて呼吸をしてみてください。その一呼吸が、あなたを守る盾になります。
一歩ずつ、焦らずに。今夜はあなたがゆっくりと、深い眠りに就けますように。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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